ファッションデザイナーにとって、パターンメイキングはデザインを形にする最も重要なステップの一つです。
しかし、すべてのデザイナーが自分でパターンを引くわけではなく、外注に頼ることも多いでしょう。
初めてパターン外注を行う際は、流れや注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、パターンメイキング工房『オーヴ・モードスタジオ』代表 フリーパタンナー/モデリストのコバヤシ_トシヒコが、パターン外注の流れと成功させるための注意点を解説します。
注:この記事はあくまで「筆者はこう考えている」という意見の表明であって、読者に対して正しい答えを教えるものではありません。
1. パタンナーの選定と依頼の準備
まず、信頼できるパタンナーを見つけることが外注の第一歩です。
選定する際には、以下のポイントを考慮しましょう。
専門性
あなたのデザインに合ったジャンルのパターンを得意とするパタンナーを選びましょう。
過去の作品を見て、ドレス、カジュアル、スポーツウェアなど、あなたのスタイルにフィットするか確認することが大切です。
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実績
フリーランスのパタンナーやパターン専門の外注会社を見つけたら、事前に口コミや評判をチェックし、納期遵守やクオリティに対するフィードバックを調べるのも効果的です。
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パターン作成を依頼する前に、自分のデザインのコンセプトやイメージを明確にしておくことが重要です。
以下の情報を準備しておくと、スムーズにやり取りが進みます。
デザインのスケッチや仕様書
デザイン画だけでなく、縫製仕様書も準備することで、パタンナーが詳細を正確に把握できます。
スケッチが苦手な場合は、参考見本(リファレンス)となる実物のアイテムや、写真などの画像データを用意しましょう。
デザインイメージがまだ明確ではない場合、当方では3D CADによるバーチャルトワルを作成することで、完成イメージのすり合わせを行うことが可能です。
▼バーチャルトワルを含めたパターン作成に関する記事一覧はこちら
https://www.orvmodestudio.com/category/how-to/
希望する素材や縫製方法
イメージするデザインや仕上げたいシルエットに影響を与えるため、これらの要素を明確に伝える必要があります。
実務では生地を決める前にパターンを発注しなければならない場合もありますが、それでも使用するイメージに近い生地の情報をパターン発注時に伝えるだけでも、パターンの完成度は向上します。
▼参考記事はこちら
https://www.orvmodestudio.com/2024/10/04/flared-skirt-pattern/
2. パターン制作の流れ
パタンナーに依頼してからの一般的な流れを見ていきましょう。
ステップ1: ヒアリングと打ち合わせ
パタンナーとの最初のステップは、デザインに対するヒアリングです。
デザインのコンセプトやターゲットサイズ、使用する素材などを詳細に伝えることが重要です。パタンナーはこれをもとに、どのようにパターンを設計するかを決定します。
・注意点:この段階で、デザインに対する微調整やパタンナーからの提案を受け入れる柔軟さも必要です。実現可能性や製品のクオリティを考慮したアドバイスを受け取ることで、より良い仕上がりが期待できます。
当方では、東京23区内であれば無料で打ち合わせ場所にお伺いしております。
もちろん当方までお越しいただいて、対面でミーティングを行うことも可能です。
▼オーヴ・モードスタジオの所在地はこちら
https://maps.app.goo.gl/GaDCrw8E3ZqgXkLC7
ステップ2: ファーストパターンの作成
打ち合わせが終わると、パタンナーが実際にパターンを引き始めます。
この段階では、デザインの形状やフィット感が大まかに再現されます。
・注意点:ファーストパターンはあくまでプロトタイプです。
この段階で完璧なものを期待するのではなく、後のフィッティングで調整を行う前提で考えると良いでしょう。
デザインやアイテムによっては、サンプル作成前にシーチング等を使用したトワル作成を行うことも検討しましょう。
▼当方での対応サービス概要はこちら
https://www.orvmodestudio.com/service/
ステップ3: サンプルのフィッティング
ファーストパターンに基づいてサンプルが作成されます。
サンプルは、実際に生地を使用して製作されるため、フィット感や動き、仕上がりの確認が可能です。
ここでフィッティングを行い、修正が必要な箇所を洗い出します。
・注意点:この段階でのフィッティングは非常に重要です。
デザインが生地に合っていない場合、細部を修正し、必要に応じてパターンに戻って再調整することになります。
ステップ4: 修正と最終パターンの完成
フィッティングで発見した修正点を元に、パタンナーはパターンを再調整します。
これを繰り返すことで、最終的に理想のパターンが完成します。
最終パターンが完成したら、量産の準備が整います。
・注意点:パターン修正は、一度で完了しないこともあります。
2~3回のフィッティングと修正を経てようやく最終版が完成することも多いため、時間に余裕を持つことが大切です。
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3. パターン外注での注意点
パターン外注を行う上での注意点をいくつか挙げておきます。
コミュニケーションの重要性
パタンナーとのコミュニケーションは外注成功のカギです。
デザインの意図を的確に伝えるため、質問に素早く答えたり、必要なフィードバックを迅速に行うよう心がけましょう。
オンラインでのやり取りが中心になる場合も、ビデオ通話やチャットツールを活用し、進捗状況を確認することが大切です。
当方では電話やメールに加えて、スマートフォンアプリのLINEでもメッセージのやりとりが可能です。
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コストと納期の確認
パターン外注の際には、コストと納期に関する具体的な確認も欠かせません。
あらかじめパタンナーに見積もりを依頼し、修正が発生した際の追加費用や納期延長の可能性を確認しておくことで、後々のトラブルを回避できます。
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知的財産の保護
外注に際しては、知的財産の保護も重要です。
特に独自のデザインを外部に依頼する場合は、守秘義務契約(NDA)を結ぶことが推奨されます。
これにより、デザインの流出や不正利用を防ぎ、安心して外注プロセスを進めることができます。
加えて当方は、フリーランス協会(正式名称:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)会員でもあるため、納品物の瑕疵、情報漏洩、著作権侵害等の賠償責任を補償する保険に加入しておりますので、安心してお取引いただけます。
終わりに
いかがでしたか?
初めてのパターン外注は、デザインを形にする大きなステップです。
流れや注意点をしっかり押さえておけば、スムーズな進行が可能になります。適切なパタンナー選びとコミュニケーションを大切にし、理想のパターンを実現しましょう。