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【エッセイ】クラウドソーシングを利用するパタンナーとして気づきを言語化「プロのコスト」と「アマチュアのリスク」

天秤にかけられたプロのコストとアマチュアのリスク

注:この記事はあくまで「筆者はこう考えている」という意見の表明であって、読者に対して正しい答えを教えるものではありません。

パターンメイキング工房『オーヴ・モードスタジオ』代表 フリーパタンナー/モデリストのコバヤシ_トシヒコです。
今回は「パタンナーエッセイ」として、クラウドソーシングを利用する中で気づいた「プロのコスト」と「アマチュアのリスク」というテーマで記事を書いてみました。

プロとアマチュアの違い

プロとアマチュアとの違いはなんだと思いますか?

私の答えは、責任の有無です。
それはもちろん、プロには責任があり、アマチュアには責任がないということです。
もう少し詳しく言うと、プロには職務責任を果たす義務があり、アマチュアには働く権利がある、という違いになります。

プロであり続けるためのコスト

そして、プロには責任を果たすための、プロであり続けるためのコストが発生しています。それは一般に自己投資と呼ばれており、そのコストをかけなければ当然、成長することができず、確実性を維持できず、持続的な発展を行うことができず、プロとしての職責を果たすこともできなくなります。

アマチュアに仕事を発注するリスク

私はフリーのパタンナーとして、クラウドソーシングサービスから仕事を受注することがあります。
そこで気づくのは、少なくない発注者の間で、コストを抑えるためにアマチュアに仕事を発注するという、非常にリスクの高い行為が行われ、それによって本来であれば回避できたはずのトラブルに遭遇しているということです。

それに気づいたのは、発注者が仕事を依頼する相手を探すときの発注文章から「過去に無責任なアマチュアに仕事を発注したことで痛い目に遭った」という経験が読み取れるからです。

実際の、発注者が仕事を依頼する相手を探すときの発注文章からの引用として2つ例を挙げます。

ケース1.クラウドソーシングサービスLをご利用のTさま

「迅速にまたスムーズにご連絡ができる方が希望です。(中途で連絡が滞るのは厳しいです)」

仕事を依頼したものの、受注者との連絡が滞って厳しい状況に陥った経験があることが読み取れる文章です。

ケース2.クラウドソーシングサービスCをご利用のCさま

「資材発送後に音信不通やキャンセルを希望するケースや、納期に大幅遅れるケースが多発しております。」

音信不通や大幅な納期遅れなど、多くのトラブルに遭遇された経験がはっきりと記載されていますね。

トラブルの原因は?

このようなトラブルに遭遇された原因は、コストを優先したことでアマチュアに仕事を依頼するというリスクをとったからではないかと、私は見ています。

なぜ連絡が滞るのか?

多くの場合、業務の経験が不足していると納期の見積もり精度が低くなります。1日でできると思っていたことが、フタを開けてみたら1週間かかっても終わらない、などという状況に陥ったのではないでしょうか。(誰かに任せるのではなく「自分でやる」という選択をした場合にも同様の状況になる可能性があります)

そして、納期に間に合わせられないと認識しているにも関わらず、発注者からの叱責を恐れて音信不通になる。。
これが、このようなトラブルが発生するメカニズムではないかと、私は考えています。

どんなに質が高かったとしても

そしてそれは受注者の責任感の欠如に起因しており、どんなに高品質な成果物を供給する能力があったとしても、無責任であればその人はアマチュアである、と私は考えます。

困るのは誰?

音信不通などのトラブルは、単に発注者がイヤな思いをするというだけに留まらず、それに伴う納期遅れによって多くの関係者に迷惑をかけることになります。そうなれば、発注者は多くの関係者からの信用や評判といった要素を毀損することになり、この後の業務にも支障をきたすことが考えられます。

「リスクは測定できない」こともリスク

コストは具体的な数値として測定できるのに対して、リスクは数値として測定することは困難です。そして、信用や評判といった測定が困難な要素を毀損するのは、極めてリスクの大きなことです。なぜなら、信用や評判といった測定が困難な要素は、毀損していることにすら気付けない可能性があるからです。それは結果的に、最初からプロに依頼するよりも多大なコストを支払う必要に迫られます。

「プロに任せる」という後悔しない判断を

プロに任せるコストを払うことで、確実性を担保することができます。
それに対して、アマチュアに任せるリスクを払うことに、リターンはありません。

せめてこの記事を読んでいる方には、アマチュアに発注するリスクを払うのではなく、プロに発注するコストを払う、後悔のない判断をされることを願っています。

あとがき

前回のブログ投稿からかなりの期間が開いてしまったことを、まずはご容赦ください。

今回のブログは、こちらのPOSTにインスピレーションを受けて書き上げました。

このWEBサイトトップページのプロフィールの項目で私は「プロの責任、忘れぬ初心」という言葉を掲げています。これは、私がプロのパタンナー/モデリストとしての責任を果たしていく覚悟を示し、またその一方では初心を忘れずに謙虚に学び続け、服づくり初心者の方からのご依頼に対しても親身に、かつプロとして真剣に仕事に取り組む姿勢を示しています。

プロの外注先としてはもちろん、服づくり未経験な個人の方からのオーダーのご相談もお待ちいたしております。
当方とお取引いただくことが、費用対効果の高い投資となることをお約束いたします。

お問い合わせはこちら

コバヤシ_トシヒコフリーランスモデリスト/メンズウェアクリエイター/ファイバーアーティスト

投稿者プロフィール

パターンメイキング工房【オーヴ・モードスタジオ】代表のフリーランスモデリスト/メンズウェアクリエイターにして、オーバーロックミシンだけで仕立て上げることで特許を取得した独自構造のシームレスウェア「#OVERSEWN」の発明者。
大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジへの登録を機に、ファイバーアーティストとしての活動をスタート。
「低価格で環境に優しく、全ての人が自由にデザインできる衣服の自動生産システムを2050年までに完成させる」をミッションに活動しています。

【東京パタンナーエッセイ】「行為」と「結果」と「幸せ」との関係

【後悔しないための】パターン発注チェックリスト【QCD+SS】

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パタンナー/モデリスト コバヤシ_トシヒコ

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